乳腺撮影(マンモグラフィ)とは

X線を使用して乳房を撮影する検査です。圧迫板という板で乳房を挟み、薄く伸ばして撮影します。

乳房は脂肪と乳腺組織で構成されていて、それらと良性の疾患、がん等の病気はX線の吸収・透過の差が少なく、マンモグラフィ専用のX線装置でないと乳房の中を微細に写し出すことができません。

乳がん

乳房の中にある乳腺にできる悪性腫瘍です。そのまま放置しておくと、乳腺の外までがん細胞が増殖し、血管やリンパ管を通って全身へと拡がります。症状は、しこり、血性乳頭分泌、乳首の陥没、皮膚のくぼみ、痛み、脇の下のしこり等です。

現在、生涯のうちに乳がんを患う人は12人に1人(50年前は50人に1人)。年間7万人が乳がんと診断され、年々増加し続けています。残念ながらそれに伴い、亡くなる人も増えています。食生活やライフスタイル等の変化による影響だと考えられております。

一般の方が触ってわかるしこりの大きさは約2cmと言われています。早期(しこり2cm以下)発見、早期治療できれば90%以上が治ります。発見が早ければ早いほど、治療の幅も広がり、その後の生活にも影響してきます。乳がんの罹患率が増える40歳からは、2年に1回の定期的なマンモグラフィ検診を受け、毎月1回のセルフチェック(自己検診)をしましょう。しこりや、痛み、形の変化等異常がある場合は、検診施設に行くのではなく、早めに専門医のいる外科、乳腺外科を受診してください。

当院では、名古屋市で行っているマンモグラフィ検診「なごやか検診」を行っています。

 

〜乳がん自己検診法〜

『鏡に向かって』     
1.両腕を上げて鏡に向かいます。両方の乳房に違和感がないか観察します。
2.次に両腕を上げて正面、側面、斜めから外見上の変化をチェックします。
  (ア)形、大きさ、乳頭の高さに違いがあるか
  (イ)乳房の皮膚や乳頭にへこみ、引きつれはないか
  (ウ)乳頭にかさぶた、ただれはないか 

『仰向けになって』
1.仰向けになり、左肩の下に枕を入れます。
2.左腕を上げ、左乳房の内側半分を指の腹で押さえていきます。
3.左腕を下げ、左乳房の外側半分を指の腹で押さえていきます。
4.わきの下にしこりがないか、乳頭を軽くつまみ分泌液がないか調べます。
5.左乳房をチェックしたら、枕を右肩の下に入れて右乳房も同様に調べていきます。
  (ア)乳房をつままずに、必ず指の腹で押さえる
  (イ)左右順番に調べる

『入浴時に』
指をそろえて、指の腹で軽く押さえながら渦巻き状に乳房にしこりがないか丁寧に調べます。   石けんの泡や、ボディオイル等をつけるとすべりがよくなり、調べやすくなります。

 

マンモグラフィはなぜ痛いのか?

痛さは人によって違いがありますが、良い(診断しやすい)画像を撮るためには、乳房を引き出して挟み、均等に圧迫し薄く伸ばすことが重要です。
乳房を引き出すのは、できるだけ多くの部分を撮影するためです。乳房の引き出しが不十分であったり、患者さんが怖がって腰を引いたりすると、乳房の根元の部分が入らなくなり、その部分に万一病変があっても「異常なし」という結果になってしまいます。
乳房を引き出して薄く伸ばすことにより、病変が見やすくなり微細なものも識別できるようになります。また、撮影に必要な放射線を少なくすることができ(被ばくも低減され)、乳房を固定することで動きによるブレもなくなります。
緊張していると乳房の引き出しが不十分になってしまったり、薄く伸ばせなかったり、逆に痛みを増強してしまうことがあります。できるだけリラックスしていただく方が痛みを軽減できます。
圧迫の強さは、良い画像を得るための圧迫圧の基準があり、年齢や乳房の大きさ、硬さ等で若干変えています。通常であれば多くの人が我慢できる程度です。しかし、痛みには個人差がありますので、痛みを我慢できなければ遠慮しないで担当技師に伝えてください。

 

放射線被ばくについて

X線撮影なので放射線被ばくはあります。

しかし、乳房だけの部分的なもので、骨髄等の影響はなく、白血病等の発生はありません。

1回の撮影で乳房が受ける放射線の量は、1年間に浴びる自然放射線の量の1/6~1/8程度です。大地や人体、建物の建材からも微量ですが放射線が出ています。

飛行機に乗ると、宇宙から降り注ぐ放射線(宇宙線)による被ばくが増えますが、東京〜ニューヨーク往復での被ばく量と、マンモグラフィ1画像の被ばく量は同程度です。

また、被ばくによる危険とマンモグラフィで得られる利益を比較すると、50歳の女性が2年に1度検査を受けた場合、検査による利益のほうが100倍大きいことがわかっています。

 

注意事項

  • 閉経前の女性は、できれば月経後の乳房が柔らかい時期がベストタイミングです。
    乳房が張っている時期は避けたほうが良いでしょう。
  • 上半身の服は全て脱いでいただきます。
  • 髪の毛が写り込むと、病気のように見えることがあります。長い髪は束ねていただくか、キャップを用意してありますので、被っていただくことがあります。
  • ネックレスやイヤリングも写り込むことがありますので、外してください。
  • 制汗スプレーやラメ入りのローション等もあらかじめ拭き取ってください。がんのサインである石灰化に似て写ることがあります。

また、ペースメーカを入れている方、妊娠の可能性の高い方、豊胸術後の方、乳房の近いところから体内にチューブを入れている方は検査前に担当医師または技師にご相談ください。

以前に受けた手術や傷跡、いぼ、ほくろや気になる症状等ありましたらお伝えください。より良い撮影と診断に役立ちます。

 

機器の精度と技術

当院は、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構により、画像の質、撮影に要したX線の量(被ばくが多くないか)等、装置の精度が基準を満たしていると認定された施設です。
また、マンモグラフィのための専門知識と技術を習得し、同機構の認定試験に合格した、撮影認定技師と読影認定医師が携わっています。撮影は女性技師が担当しておりますので安心して受けていただけることと思います。