総合内科の概要

名古屋医療センター総合内科は、平成22年10月1日から診療を開始した比較的新しい診療科です。平成30年5月の時点ではスタッフ医師6名、診療看護師(JNP)1名,専修医・非常勤医師数名の体制で診療にあたっています。

当院では、各診療科にその分野のトップレベルの専門医が在籍し、3次医療機関としての役割を果たしています。「日常的な健康問題についてはかかりつけ医で、専門的な検査や治療が必要な場合や救急対応は総合病院で」といった医療機関の役割分担を行うことで,効率よく診療を受けていただくことができます。

一方で、「かかりつけ医療機関では対応しきれないが、どの専門科の領域なのかわからない」場合や「いくつもの分野の病気を抱えている」患者さんにおいては、各専門科のみの診療体制では対応が難しいことがあります。名古屋医療センターでも、専門診療でカバーしきれない患者さんへ質の高い診療(外来・入院・救急)を提供すること,及び若手医師の教育を充実させることを目的に「総合内科」が設立されました。患者さんの視点を大切に、「専門医療との協力」を実践することで、様々なニーズにこたえ他の医療機関からも信頼いただける診療を目指して努力しております。「当科的には異常なし」としないことをモットーにしています。

 

特色

当科の診療の特色としては下記のような点が挙げられます。

1. 診療対象とする病気・臓器・領域を限定せず,内科一般に対応いたします(発熱・咳・腹痛・下痢・貧血・健診での異常等)。いわゆる「振り分け外来」のみでなく,日常的な疾患については可能な限り当科での治療を行います。

2. 重症患者さんの対応を得意とする医師から,プライマリケア・家庭医療・老年医学の心得のある医師まで在籍しており、外来(初診・予約診)・一般病棟・救命センター・救急外来で広く診療にあたっています。(現在のところ,在宅診療・往診には対応しておりませんのでご了承ください)

3. 診断未確定の症状,原因不明の発熱等について広く診療し「内科診断学」を一つの専門としています。また,当科は「感染症専門科」ではありませんが感染症一般の診療も重視しています。海外旅行後の発熱,性感染症などについても対応いたします(排菌のある結核やマラリアの治療は専門医療機関への紹介が必要です)。院内における感染症診療のコンサルテーションや抗菌薬適正使用の啓蒙についても取り組んでいます。

4. 生活背景にも配慮し、心理的要因・社会環境が体調に及ぼす影響も検討しながら、診療をいたします。高齢患者さんの「総合的な機能評価」「療養相談・調整」も積極的におこなっています。

5. 専門科での診療が必要な場合には院内、他院を含め適切に紹介・連携をいたします。

6. 次世代を担う医学生や初期研修医・若手医師の教育にも力を入れています。

診断のついていない、複雑な病状の患者さんの診療も多いため,お一人ずつの診療時間が長くなり、外来診療での待ち時間でご迷惑をおかけすることがあります。

かかりつけ医や受診中の病院がある場合,ご自身の判断のみで受診されず,まずかかりつけ医へご相談のうえで紹介受診をご検討ください。紹介状や、普段のお薬手帳・これまでの検査結果等があればスムースですので,なるべくご持参のうえ受診していただけると助かります。

連携医療機関の先生方へ

専門科への振り分けを行うのみではなく、通院治療・入院精査加療も行っています。必要な場合には各専門科への紹介や併診にて対応いたします。下記のような患者さんでお困りの場合にはぜひ当科へのご紹介をご検討いただければ幸いです。

1. 原因不明の発熱やデータ異常など、どの専門科へ紹介するのが適切なのか分からない。
2. 一般的な愁訴(咳、腹痛、下痢など)だが,通常の治療で改善しない。
3. 複数の異常・病態が疑われ、多数の科の関与が必要である。
4. 高齢患者さんの総合的な評価・対応が必要である。 等

地域連携室(電話:052-951-1206 FAX:052-951-1207)にて受診日指定の事前予約を承っております。急を要さない病状の方や経過の長い方については,なるべく事前予約・情報提供にご協力をお願いいたします。また,お一人ずつの診察に長時間を要する方も多いため、時間に余裕をもってお越しいただきたく存じます。(投薬内容・検査結果等の詳細の持参なしで受診されますと,対応に苦慮することがございます)

「他の医療機関にて入院検査・治療中もしくは治療後であるが,対応困難であり転院希望」といったご依頼もしばしばいただいています.ご病状を確認のうえで受け入れ可否を検討いたしますので,事前のご連絡およびご相談をお願いいたします。(事前連絡なく窓口へ直接受診されますと対応困難な場合がありますのでご留意ください)

当科での実習・研修を希望される方へ

医学部学生の見学・実習を積極的に受け入れています。毎年40-50名程度の受け入れ実績があり,平成29年度は43名を担当いたしました。1日単位の見学実習から,数週~1か月単位のクリニカルクラークシップも受け入れ実績があります(愛知医科大学・名古屋大学・藤田保健衛生大学).※ご注意)個人的な見学ではなく医学部の正規カリキュラムの一環としての実習には大学からの申し込み手続きが必要です。

診療を傍観するのみでなく,教育回診に参加して病態についてディスカッションしたり身体診察を学んだりすることができます。毎日刺激になるカンファレンスやミニ勉強会を開催しています。知識の量は問いません。礼節を持ち,やる気のある学生さんの参加をぜひお待ちしています。

また、後期研修先の検討のための初期研修医の方の見学や,総合内科診療を学びたい・従事したい医師の方の見学なども,随時受け付けています。(多様な働き方を歓迎しており,子育て中の女性医師など,夜間休日の対応ができない方も活躍されています)

見学ご希望の方は卒後教育研修センター(E-mail:sotsugok@nnh.hosp.go.jp)までご連絡ください。

 

臨床実績

平成29年度の入院担当患者は約400名(平均年齢70.1歳)でした.主な疾患・病態は下記のように幅が広く、不明熱など,分類不能の病態も多く担当しました.外科系各科の入院患者における内科的合併症の対応・感染症診療のサポートも行っています.

診療担当疾患の例:
①感染症
肺炎・菌血症/敗血症・尿路感染症・カテーテル血流感染症・化膿性脊椎炎・蜂窩織炎やその他の軟部組織感染症・感染性心内膜炎といった一般的感染症,人工関節感染・ペースメーカー感染・脳深部刺激装置(DBS)感染,術後の腹腔内感染症,眼内炎,梅毒帯状疱疹など多種

②一般内科的疾患:
低Na血症や低K血症などの電解質異常・急性/慢性の腎障害・慢性心不全の増悪・COPDとその合併症・アルコール関連疾患(アルコール性ケトアシドーシスやウェルニッケ脳症)・急性薬物中毒・横紋筋融解症・アナフィラキシー・低体温症・痛風や偽痛風・消化性潰瘍・高齢発症関節リウマチ・リウマチ性多発筋痛症など

③老年科的な病態:
高齢者の体動困難・介護破綻によるトラブル,圧迫骨折・認知症・せん妄・褥瘡感染・排尿障害とそのトラブルなどの老年症候群,高齢者総合機能評価,療養調整 

④比較的まれな疾患群:
その他、結核(肺結核・胸膜炎・心膜炎・播種性結核)、悪性リンパ腫、成人スティル病、高巨細胞性動脈炎や高安病・IgA血管炎などの血管炎症候群,ベーチェット病、などについても専門医と連携のもと診療を担当しています.

2018年5月25日 更新