泌尿器がん(膀胱・前立腺・腎臓・精巣腫瘍)

泌尿器科と定期的なカンファレンスを通じて治療法を検討し、提案しております。進行がんの他、膀胱がんに対する術前化学療法も担当しています。

筋層浸潤膀胱がんでは術前化学療法を追加することで手術単独で治療するよりも結果が良いことがわかっております。当科ではドーズデンスMVAC療法(dose-dense MVAC療法;従来型のMVAC療法を改良し、安全性・有効性を高めたもの)、シスプラチン・ゲムシタビン(GC療法)を行っております。dose-dense MVAC療法は優れた効果が報告されているものの、実施していない施設もあり十分普及していません。泌尿器科と検討のうえ、適応となる方には積極的にご提案しています。進行再発例ではシスプラチン・ゲムシタビンの他、パクリタキセルやペムブロリズマブを使用しています。

進行・再発腎細胞がんの治療は手術と薬物療法の組み合わせとなります。従来の分子標的薬(血管新生阻害薬)単剤の時代から血管新生阻害薬+免疫チェックポイント阻害薬もしくは免疫チェックポイント阻害薬同士の併用療法に移り変わりつつあります。薬剤選択は患者さんの状況とがんの状況をよく検討して決定されます。腎細胞がんの治療では免疫チェックポイント阻害薬と分子標的薬を十分に使いこなすことが重要です。腫瘍内科は免疫チェックポイント阻害薬の使用経験が多く、副作用対策を整えておりますので、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法も積極的に提案し、治療に役立てています。

精巣腫瘍は適切な手術+正確な病理診断に加えて、必要な場合には綿密に計画された化学療法が行われます。胚細胞腫瘍に対する化学療法は安全性を担保しつつ、安易なスケジュール遅延や薬剤の減量をすることなく実施することが重要となります。制吐剤やG-CSF製剤、抗菌薬等を使用し治療の完遂を目指します。 一般的なブレオマイシン・エトポシド・シスプラチン(BEP療法)の他、TIP療法、VIP療法、GEMOX療法など救援化学療法にも対応しています。胚細胞腫瘍の化学療法は薬物療法の経験が多い施設でのみ行うことが推奨されています。

前立腺がんに対する薬物療法は従来型のホルモン療法(GnRHアゴニスト)±抗アンドロゲン薬の他、GnRHアゴニスト+新規ホルモン剤(アビラテロン)もしくは抗がん剤(ドセタキセル、カバジタキセル)が加わり複雑化しており、患者の状態や腫瘍の状態をみて治療全体の戦略を組み立てることが重要となっております。

使用する薬剤:シスプラチン、ゲムシタビン、ドセタキセル、カバジタキセル/ジェブタナ、ニボルマブ/オプジーボ、ペムブロリズマブ/キイトルーダ、イピリムマブ/ヤーボイ、BEP、VIP、TIP、スニチニブ/スーテント、アキシチニブ/インライタ、カボザンチニブ/カボメティクスなど。