乳腺外科の概要

当科では乳腺指導医資格を有する乳腺専門医が中心となって診断・手術・薬物療法を行こっています。乳がんの年間登録数は約250例ありそのうち手術件数は約190例です。クリニカルパスの実施率はほぼ95%で在院日数は5-8日となっています。術前化学療法あるいは再発予防のための術後補助化学療法は腫瘍内科と協同して対応しています。再発乳癌患者さんに対してはできるだけ日常生活を安楽に長く送れるように副作用と治療強度を勘案しながら通院加療を基本として腫瘍内科・緩和医療チーム・薬剤師・化学療法専門看護師等と協力して患者さんをサポートしています。

 

特色

診断においては日本のマンモグラフィガイドライン委員で画像診断の指導的立場の乳腺画像診断医が放射線診断部と協力し検診要精査症例および自覚症状を有する初診症例すべてにマンモグラフィ・乳腺超音波検査を施行し、必要あれば穿刺吸引細胞診・組織診および乳腺腫瘍画像ガイド下吸引式組織生検などを行い診断しています。手術においては当院病理医の市原周医学博士が独自に開発したポリゴン法により乳房温存術の全方位切除断端を高精細に診断し、断端にがんを認めなければ(断端陰性)であれば原則放射線照射は施行していません。この方法は一般的ではありませんが精密な診断、正確な切除技術、高精細な病理診断が三位一体となっているからこそ温存術後の非照射で良い成績を収めていると言えます。また、センチネルリンパ節生検は敢えてアイソトープRI法ではなくインドシアニングリーンICG蛍光法を採用しておりRIによる被爆の心配がなく色素単独法よりも確実性の高い方法で行っています。どちらも患者さんへの負担を減らす患者さんに優しい方法と言えます。臨床試験にも積極的に参加しており医師主導型多施設共同試験に多数登録しています。また症例登録保管も精密に行っており当院乳癌症例は昨年6,500例に達しました。

 

臨床実績

診断(件数)

  2017年 2018年 2019年 2020年
マンモグラフィ 2,346 2,259 2,276 2,234
乳腺超音波検査 2,502 2,444 2,416 2,340
乳腺穿刺吸引細胞診検査 285 212 223 190
乳腺腫瘍画像ガイド下吸引式針生検 26 7 8 17

手術(件数)

  2017年 2018年 2019年 2020年
乳癌手術 214 186 193 154
  全摘術 154 127 139 120
  温存術 51 50 48 34
  その他 9 9 6 14
乳腺良性手術 15 16 12 8
甲状腺手術 10 10 10 6
  甲状腺がん 7 6 6 2
  甲状腺腫 3 4 4 4